祖父、父から引き継いだ仏間

私の家は築50年くらいの古い木造2階建ての家です。祖父母が暮らし、父母が暮らし、兄弟が育って行った思い出の家です。思い入れのこよなく深い家です。

さて、私の家の自慢は仏壇です。この仏壇は祖父が購入したものです。幼い時に父を亡くした祖父は、仕事熱心で、苦労人でした。その裕福でもなかった祖父が、大枚を叩き手に入れたのが、我が家の仏壇です。母はよく盆前になると、この仏壇を磨いていました。私も手伝いをさせられたものです。この仏壇は、幅一間、奥行き1間の中の奥半間に配置されております。前半間は座敷八畳から仏間に入り座って、手を合わせるところ、ご門主様がお経を唱える処です、ここは座敷より一段高くなっております。また、この座敷から仏間への入り口の上部には、欄間が設けられており、家紋である桔梗紋が中央に彫られています。

この仏間は祖父、父母にとって、大事なものでありました。全く持って見事な仏壇でありますし、祖父の熱い心意気を感じる場所です。私にとっても、特別なものですし、自慢のものです。祖父、父母の通夜はすべて我が家で執り行いました。慣れ親しんだ、見事な仏壇の前で、祖父、父母も喜んだことと思います。